2015年7月15日水曜日

【株価不安説か】年金137兆円からの国内株投資 まもなく上限に「残り2%」

このエントリーをはてなブックマークに追加
年金積立金137兆円を運用する世界最大のファンドGPIFの国内株投資の上限がまもなくだと報じられている。専門家は「残り2%」と言っている。株価の下支えをしてきた効果が薄れることによって、海外投資家には不安が拡がるという論調もある。ただしGPIFの他にも4匹のクジラは存在する。
スポンサードリンク


日本経済新聞朝刊2015年7月15日

GPIFの日本国債売り・株買い目標間近か、「鯨」不在をデータ示唆 - Bloomberg

(ブルームバーグ):世界最大規模の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF )が新たな資産構成の目標値に向けて進めてきた国内債券の残高圧縮と内外株式などの積み増しは最終段階に近づいた可能性がある。市場関係者は「クジラ」と呼ぶ巨大な運用機関の不在に気づき始めている。

(中略)

野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、GPIFが資産構成を変えた昨年10-12月期の売買ペースを「1月以降も続けていたなら、株高・円安効果もあって、4資産とも5月末には新たな目標値にかなり近づいている」とみる。

(中略)

GPIFが抱える厚生年金と国民年金の運用資産は昨年末時点で137兆円超に上る。同年10月末の資産構成見直しでは、国内債の目標値を60%から35%に下げた一方、内外株はそれぞれ12%から25%に、外債も11%から15%へ引き上げた。公務員や教職員の年金もGPIFに追随する方針だ。

あと2%ポイント前後

(中略)

モルガン・スタンレーMUFG証券の株式統括本部でエグゼクティブ・ディレクターを務める岩尾洋平氏の推計によると、GPIFの資産構成は先週末19日時点で国内債が約40.8%、国内株が23.2%、外債が13.3%、外株が22.7%。内外株と外債はそれぞれの目標値まで2%ポイント前後に迫っている計算だ。

岩尾氏は、GPIFは日本株に投資する海外勢にとって「これまで相場の支援要因となってきた」と指摘。他の公的年金は目標値からまだかなり離れているため、引き続き需給面での支え手になるが、将来ひとたび資産構成の変更が終わってしまうと、外国人投資家の不安が徐々に募っていくのではないかと述べた。

(中略)

みずほ証の推計によると、GPIFの保有資産に占める国内債の構成比は、年明け以降に入れ替え目的の売買を全く実施しなかった場合でも株高・円安などの影響で、5月末には昨年末より2%程度低下したもようだ。残高圧縮のペースを昨年10-12月期よりかなり鈍化させたとしても、すでに40%割れまで下がっていてもおかしくないと言う。

(後略)

情勢分析

ここ1ヶ月の間に、年金積立金からの株式投資が、残り僅かだという報道が重なっている。一度に報道されることはないが、小出しに様々なメディアが報じている。

GPIFが、年金の積立金を投資している。137兆円という世界一のファンドだ。

国内債、外国債、国内株、外国株に対して投資している。その比率は、昨年大幅に変更され、リスク資産と言われている国内外の株への投資比率は高められた。

円安が進むことによって、海外株への投資によるベネフィットは大きくなる。同時に円安が進むことによって、海外投資家からの国内株への投資が増える。この仕組を利用した比率変更といえる。


つまり、リスク資産に対してより巨額を投資することになっているわけだが、その上限が迫っているという報道だ。このような巨額の国内株の買い増しは「クジラ」と呼ばれる。クジラが泳ぐ後ろを泳げば稼ぐのが楽だという意味合いでクジラという言葉は用いられる。このクジラを利用して、海外投資家は日本国内に投資しているわけだ。

クジラによる国内株投資によって、日本株の株価は下支えされてきている。下がる局面においてクジラはこれまで効果を出してきたとされる。

だからこそGPIFというクジラの国内株の買い増しが終わることの影響が心配される。アベノミクスの指標とされる日経平均の変動に注目する必要がある。

ただし、その他にも共済年金や、ゆうちょの運用などのクジラは存在する。

その5頭のくじらとはGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を筆頭に巨額の資金を株式市場で運用している機関のことを指します。

本命のGPIFは、昨年の10月に運用方針を大きく変更し、国債から日本株への組み入れ比率を高めたために、これまで以上に日本株を買う余力が大きくなっており、あと7兆円以上の余力があるようです。月にして1兆円足らずの日本株買いを行うわけですから、ここ最近の日本株の底堅さも頷けます。

2頭目は、地方公務員共済組合連合会などの3つの共済年金です。3共済は、今年の秋までにGPIFと同水準まで日本株保有比率を高める計画となっています。

3頭目は83兆円もの運用資金を持つかんぽ生命です。昨年末より日本株への組み入れ比率を大きく増やしてきたとはいえ、未だ1%未満となっているようです。
2014年9月末時点では約5500億円を保有しているということですから、仮に日本生命保険など民間大手並みの13%程度まで増やすとなると、残りの買い余力はあと8兆円もあるということになります。こうなれば、GPIFの買い余力をも上回ることになる非常に大きな日本株の買い手ということになります。

・かんぽ生命が株式投資
http://fx.minkabu.jp/hikaku/fxbeginner/japan-post-insurance-equity-investment/

そして、4頭目は資産200兆円を誇るゆうちょ銀行です。こちらも、今年の上場を控え、運用収益を高める為にも日本株での運用を計画しているようです。仮に1%でも2兆円の資金が株式市場に流入することになりますが、別表のUSB証券の推計値のように資金の5%を日本株で運用するとなるとその額は10兆円を超す計算となります。

最後に、昨年より追加の金融緩和を発表し、ETF、RIETを年間3兆円買っている日本銀行になります。
(引用元:http://money.minkabu.jp/49386)
安倍政権はクジラを複数誕生させつつ株価の高止まりを演出し、国内の企業の体質を「株価」に反映させるべく改善させようとしている。それを官製主導の賃上げによって、実体経済に反映させようとしているわけだ。

私の見立てでは、これまでの2年連続の官製春闘による賃上げは、来年も行われるだろうとなっている。現在、安保関連法案の審議によって内閣支持率は下がり続けているが、年明けから3度めの賃上げによって回復させようとするだろう。

単純に年金積立金からの国内株投資の積み増しが終わったからといって、株価が急激に下落し、内閣支持率の低下につながるという論調は、現実味があまりない。ただし、影響はゼロではない。

スポンサードリンク3

このエントリーをはてなブックマークに追加
▼無料メルマガを購読。
https://s.blayn.jp/bm/p/f/tf.php?id=hikkurikaesu