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日本農業新聞は、本紙の農政モニターを対象に行った農政に関する意識調査の結果をまとめた。安倍内閣を支持するとしたのは、政権発足から最低となる36%だった。不支持は61%で、不支持が支持を20ポイント以上も上回った。安倍内閣の農政を「評価しない」「どちらかといえば評価しない」は合わせて75%に達し、政権の農業政策に対する不満が強まっている。今国会で政権が成立を目指す安全保障関連法案に対しても反対が6割を超えた。
内閣支持率は、第2次安倍内閣が発足した2012年12月に最も高く、支持66%、不支持34%と支持が大きく上回っていた。民主党からの政権奪還で高い期待を集めたが、環太平洋連携協定(TPP)交渉参加や農政・農協改革の断行など2年半余りの政権運営で、支持率は一貫して下げ続けている。14年8月に初めて不支持が支持を上回り、今回、支持・不支持の数字が政権発足時とほぼ入れ替わる格好となった。
衆院選前の14年11月に行った前回調査と比べても、支持率は45%から8ポイント減と急落。一方で不支持は6ポイント増えた。この間に政府は農協法改正を法案化し、今国会に提出。衆院を通過して現在、参院で審議が始まっている。同法案には反対が52%と厳しい評価で、賛成は18%にとどまった。
・農政への不満強まる
重大局面を迎えるTPPで、政府に求める交渉姿勢も聞いた。「(重要品目の聖域確保などを求めた)国会決議を守れない場合は合意すべきでない」「脱退すべき」が合わせて94%に達した。毅然(きぜん)とした対応を貫くよう求める声が圧倒的多数で、月内の早期妥結を目指す政府への監視の目も一層厳しくなっているとみられる。
今国会で大きな争点になっている安保法案への評価も聞いた。賛成が17%にとどまる一方で、反対は62%を占めた。安保法案、農協法改正案という安倍政権の最重要法案が共に厳しい評価となっており、支持率低下にも影響したとみられる。
調査は、農業者を中心とした本紙の農政モニターら1150人を対象に6月末から7月上旬に実施。10日までに826人から回答を得た。
(引用元:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=33933)
情勢分析
日本農業新聞調査だ。調査方法が重要だ。
調査は、農業者を中心とした本紙の農政モニターら1150人を対象に6月末から7月上旬に実施。10日までに826人から回答を得た。調査対象の偏りが重要だ。農業新聞の「農政モニター」が対象であること抜きでは、この情報を利用することは出来ない。
つまり、この世論調査で浮き彫りになるのは、一般的な内閣の支持率ではなく、農政モニターとはなんだろうかということだろう。
7月の大手紙の内閣支持率は、40%前後から40%台後半まで出ている。そんな状況の中で、農政モニターへの調査結果は「36%」ということになる。このように捉えることが重要だ。くれぐれも農業従事者全般の心理状態ではなく、農政モニターだとみなさなければいけない。だからデータの扱いには慎重になったほうが良いだろう。
その上で、データを分析する。
この母集団の特徴は、ここにハッキリと現れている。
「(重要品目の聖域確保などを求めた)国会決議を守れない場合は合意すべきでない」「脱退すべき」が合わせて94%に達した。9割以上がTPPに反対する母集団であるということだ。保守的な農業関係者が母集団であるとみなして良いかもしれない。
そんな母集団の内閣支持率は36%であり、安保関連法案に対しては、6割が反対しているということになる。
TPP反対である層は、安保関連法案を必要としていない傾向があるとみなして良いだろう。
ちなみに、安保関連法案(限定的集団的自衛権)は、TPPとはっきりリンクしている。
TPPは東南アジアの安定を望む。つまり南シナ海の海や空を自由に通行することが大前提となっているわけだ。つまり、集団的自衛権によって南シナ海を安定化させ、TPPによる貿易を促進させたいという日米主導の国際政治情勢と関連しているというわけだ。