昨日2015年9月2日の参院審議で、共産党の仁比聡平議員が、自衛隊の内部文書と思われるレポートを踏まえて追及した。河野克俊統合幕僚長が、昨年の衆院選直後に米国要人に対して、安保関連法案が夏までに成立する見通しであることを伝えていたという内容についてな方に防衛大臣に確認して、入手したレポートを大臣に手渡した。
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情報資料
統幕長「安保法案は夏に成立」 共産追及 昨年末、米へ伝える(東京新聞)
2015年9月3日 朝刊
陸海空自衛隊の一体運用を担う統合幕僚監部(統幕)の河野(かわの)克俊統幕長が昨年末の訪米時、安全保障関連法案について、今年夏までに成立する見通しだと米軍首脳に伝えていたとする資料を共産党の仁比聡平(にひそうへい)氏が二日の参院特別委員会で提示した。中谷元・防衛相は「いかなるものか承知していない」と内部文書であるかどうかの確認を避けた。
仁比氏によると、資料は統幕が作成。河野氏が昨年十二月十七、十八両日の訪米で、デンプシー統合参謀本部議長ら米軍・国防総省幹部七人と会談した内容を記載している。当時は法案の作成に向けた自民、公明両党の与党協議が始まっていない段階だった。
河野氏は十二月十七日のオディエルノ陸軍参謀総長(当時)との会談で、集団的自衛権の行使容認を柱とする安保法案の見通しを問われ、直前の十四日に投開票された衆院選に触れ「与党の勝利により、来年夏までには終了すると考えている」と答えた。
河野氏は一連の会談で、米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)に配備されている垂直離着陸機オスプレイに関し「不安全性をあおるのは一部の活動家だけだ」と説明した。
普天間移設に伴い名護市辺野古(へのこ)沖に建設する方針の新基地については「(米軍と自衛隊の)共同使用が実現すれば、協力が一層深化し、住民感情も好転するのではないか」と述べた。中谷氏は今国会で「恒常的な共同使用は考えていない」と説明している。
共産党の小池晃副委員長は委員会後の記者会見で「戦前の軍部と一緒で自衛隊が暴走していることが裏付けられた」と述べた。
共産党は仁比氏が示した資料とは別に、法案の成立を前提として、新たな部隊運用などに関する資料を自衛隊が作成していたことも追及。中谷氏は資料は自衛隊が作成したものだと認めている。
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015090302000123.html)
【動画】仁比聡平が内部文書を示して中谷防衛大臣を追及
仁比聡平が示した内部文書の画像
画像引用元:https://twitter.com/koike_akira/status/639006966749130752情勢分析
共産党の仁比聡平議員の追及における注目点はいくつかある。内部文書が本物であると中谷防衛大臣が認めるかどうか。またこの問題は秘密保護法に抵触するのか。この追及によって国会のスケジュールがどのように変わるのか。
内部文書に書かれているのは、河野克俊統幕長が見立てを米国ペンタゴン要人に話していることであって、見立ての内容自体はそこまで驚くものではない。ただ政治レベルではなく自衛隊レベルで米軍に情報提供しているという事実を国民に周知させるという大きな意味がある。
12月の衆院選後、日米間でガイドラインが改定された時点で、通常国会で安保関連法案を審議して成立させようというシナリオはハッキリしていたのであって、この追及によって何かがひっくり返るようなことになる可能性はあまり高くない。
ただ、中谷大臣の答弁によっては国会が紛糾し、運営スケジュールに乱れが出る。
現在、審議時間から9月11日には採決は難しいとされ、9月14日以降になると報じられている。野党は、出来る限り審議させないように持込み、時間切れになることを目指す。つまり政権与党が最終的に衆院での再可決を行うように持っていくシナリオだろう。
内閣は法案を引き下げるシナリオは考えていない。となれば内閣支持率を少しでも下げるという戦術しか残されていない。ただし9月中旬意向に安保関連法案が衆院で成立し、内閣支持率がある程度下がったとして、それが何につながるのか。はっきりした目標があるわけではない。ただし潜在的な内閣への不満は継続し、その後の選挙結果に現れる可能性はある。
同時並行して進む自民党総裁選の結果にも影響するのは難しいだろう。
参院の会期が終わり時間切れになった後に、安倍首相は国連総会に出席し、外交による得点を目指すだろう。
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