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朝日新聞朝刊2015年7月18日 |
情勢分析
自民党はこの安保関連法案の審議について、失点をできるだけ小さくする戦術を徹底している。つまり支持拡大の戦術を取れる状況にないということだ。衆院憲法審査会の休止につづいて、さらなる方針転換を行った。公の場所での説明をするという積極的な方針を撤回した。今後は組織内の支持者に対するビデオメッセージでの説明になる。つまり支持者ではない人に対する説明は不要と判断したことになる。ビデオメッセージという手法は、裏返せば、地方議員の舌禍というリスクを最小にするためのものでもある。自民党若手勉強会での議員や百田氏の乱暴な発言が政党支持率にダメージを与えたことは原因の1つだろう。
9月に集中的に街頭演説を行うとの方針だが、実際どうなるかはわからない。
裏返せば、これで最長9月末までの安保国会を乗りきるしかないと判断したことを意味する。内閣支持率の低下のペースがこれ以上急激に上がることはないという判断だろう。現在の状況で考えればそれは妥当だとも言える。
同時に、安倍内閣は、最低賃金のアップなどの政策を検討している。不人気政策は出来る限りダメージを小さくしつつ、平行して賃上げ政策をメインに行なっている状況だ。実質賃金もついにプラスになったことが報じられている。