産経2015年6月7日 |
筆者はこれを本日の日本経済新聞で読んだ。ちなみに、朝日や読売はこれに言及していない。日経は、これに触れつつ、国会の安保関連法案の信義に影響があるという論調で報じている。では報道を見てみよう。
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『▼元陸自幹部 露に情報漏洩か 警視庁公安部が事情聴取
産経 2015.6.7 07:24
陸上自衛隊の元幹部が、諜報活動に関与していたとみられるロシア大使館関係者らとの接触を確認され、警視庁公安部が元幹部の自宅を家宅捜索し、事情を聴くなどしていたことが6日、関係者への取材で分かった。公安部は、元幹部が大使館関係者に職務上知り得た情報などを漏洩(ろうえい)した可能性があるとみて、自衛官の守秘を定めた自衛隊法違反の疑いなどを視野に慎重に捜査を進めている。
関係者などによると、元幹部は60代の男性で陸自の重要ポストを経て、平成21年に退官した。
戦術「教範」大使館関係者へ譲渡
元幹部は退官後、ロシア大使館関係者らと面識を持ち、接触を重ねていたとみられるという。元幹部は大使館関係者側に対して、陸上自衛隊の戦術などについて記述された「教範」と呼ばれる冊子を譲渡した可能性がある。
譲渡した冊子は自分の部下だった自衛官に依頼するなどして入手したとみられる。元幹部は公安部の聴取に対し、冊子を渡したことを認めているという。
公安部は、譲渡したとされる冊子の内容を確認した上で防衛省に照会を行ったが、自衛官であれば誰でも購入でき、秘密性は低いとみられるという。公安部は、元幹部が重要性の高い情報を漏洩させた可能性もあるとみて、さらに調べを進めている。
自衛隊法では、自衛官らが職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないとする守秘義務を定めている。守秘義務は退官後も、同様に課せられる定めとなっている。
関係者によると、元幹部が接触していた大使館関係者の中には、ロシア軍の諜報機関「参謀本部情報総局」(GRU)所属の人物が含まれていたという。GRUは多数の情報員を「外交官」として各国の在外公館に送り込んでいるとされる。』
(http://www.sankei.com/affairs/news/150607/afr1506070002-n1.html)
分析
産経の報道を確認する限り、これが安全保障関連法案の審議に影響する可能性は、そこまで高く無いと見る。これは、今後のセキュリティー関連法案に影響する可能性がある。つまるところ秘密保護法の重要性をPRすることに誘導するファクターとなるだろう。
また「対ロシア」外交に影響する可能性がある。現在、安倍首相は、年内のロシア大統領訪日のために動いていると報じられている。そして、そのために、先んじて岸田外務大臣の訪露を調整しているとされる。
この安倍晋三の「対ロシア」外交を妨げるためのファクターとなる可能性もある。続報などに注視していきたい。