秘書の宮崎資紹氏の知人Bが、『CRIミドルウェア』の未公開株関連の話の出どころとされている。もちろん本人たちは否定しているが、今後の追求が行われるだろう。
文春スクープの内容を整理して、今後の情勢を分析しておく。
▼週刊文春 2015年 8/27 号 [雑誌]
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情報資料:週刊文春
▼週刊文春 2015年 8/27 号 [雑誌]武藤貴也未公開株スキャンダルの登場人物
- 武藤貴也衆議院議員(元自民党 衆院滋賀4区)
- 秘書・宮崎資紹氏
- 武藤氏の友人A氏
- B氏(HS証券会社と知り合いとされる)
- HS証券会長
- 出資者の一人
あらすじ:週刊文春からざっと読み取れることを理解
武藤貴也氏が、秘書の宮崎資紹から未公開株で儲ける話を振られ(宮崎氏は否定)、知人のAに話を振った。武藤貴也氏は利益の一部をもらう話をAにしていたと本人が証言している。知人Aは未公開株への出資者を募り、結果23名からの出資金4104万円が秘書の宮崎氏の口座に振り込まれた。だが未公開株の話は消えた。出資者は返金を求めたが返金は完了していない。そもそも、この話以前の関係が今回のスキャンダルに影響している。武藤貴也氏は知人Aに対して、累計1億円を貸し付けているとされる。秘書の宮崎氏も知人Aに累計4000万円を貸し付けていたとされる。
秘書の宮崎資紹氏は、口座に振り込まれた未公開株への出資金を、Aに預けていた4000万円の穴埋めのために流用したと発言。
武藤貴也氏は知人のA氏とLINEや面会を通じてこの話を進めていたとされる。武藤貴也が知人のA氏に貸し付けていた累計1億円のカネをどのように穴埋めするのかが、未公開株の話を進める動機ではないかと読み取れる。
秘書の宮崎氏は、未公開株の話を否定。武藤貴也議員は債務について知人Aが負うべきものと発言。
文春報道を時系列で整理
- (0)未公開株の問題以前に、武藤貴也・秘書宮崎資紹が、Aにそれぞれ、1億円、約4000万円を貸していたとされる。
- (1)HS証券会長と知り合いのBが、宮崎資紹氏に未公開株の話を持ちかける。
- (2)宮崎氏、武藤貴也議員に持ちかける
- (3)武藤貴也議員、知人Aに持ちかける
- (4)23人の出資者が約4000万円を宮崎氏の口座に振り込む
- (5)宮崎氏が縁戚への借金返済に当てる
- (6)未公開株の話がなくなる。
- (7)出資者が返金求めるも、返金がすみやかに行われず
- (8)例:宮崎氏が10万円を出資者の一人に返済も、1割も返ってきていない
- (9)週刊文春のスクープ
証言まとめ
武藤貴也氏の知人Aの証言
「武藤さんの政策秘書の宮崎(資紹)さんの知人BさんかHS証券会長と知り合いで、同社が主幹事を務める『CRIミドルウェア』という新規公開株を買えるというのです」
「後日、新宿の喫茶店で無糖さん本人から直接説明を受け、後は秘書の宮崎さんとやりとりしてくれ都のことでした」
「国会議員の話だし、確実な話だと思っていました」
「ところが上場前日に宮崎さんから買えなかったという連絡がきたのです。B氏の関係者がHS証券に『本当に買えるのか』と問い合わせてしまい、内々だったこの話がダメになってしまったという説明でした」(B氏は否定。HS証券は議員枠の存在を否定)
「集めた金のうち、約800万円を宮崎さんが別の用途に使ってしまったのです。その後、衆院選を理由に返済はさらに遅れていきました」
出資者の一人の証言
「待てど暮らせどお金が戻ってこないんです。その後、宮崎さんの名前で10万円が振り込まれましたが、まだ投資額の1割も変えってきていません」
宮崎資紹(秘書)の証言
「議員枠なんてあるわけない」※出資金の流用と一部未返済を認めた上で
「私もAに四千万円を預けていました。それは縁戚などの人間から借りた金で、地獄のような返済を迫られていました。ですのでそちらに回しました」
武藤貴也氏の文春インタビュー。
「僕が最後にAに1千万円を渡したのが去年の10月。選挙の直前で大変な思いをしましたよ。そんな時にうちの秘書(宮崎氏)がミドルウェアの株を『これが値上がりする可能性がすごくある』と。それでAに『これで挽回できるかもしれないから、宮崎産の口座にお金を集めて振り込め』と行ったのは事実です」
ー流用の疑いもある。
「宮崎さんも、Aが返さないので、知人から自殺すると言われたりして、そちらに先に返したんです」
ー議員枠は問題があると自覚があった?
「(声が震え)僕が国会議員としてこれに加わり、いくら穴埋めのためだとはいえね、僕の名前で集めてほしくないから。僕自身は公人でいろんな人と関わりがあるので、迷惑かけたくないから」
ー武藤議員が利益の半分をもらうと聞いたが。
「穴埋めしようという思いはありましたよ。それ相応の額を貰わないと穴埋め出来ないねとは話しました」
ー国会議員は、資産公開法で貸付も資産報告書への記載が義務付けられているが、記載がない。
「資産になるの? これ。それは漏れているかも知れませんね。ハハハ」
ー外務委員会の最中にLINEを送っているが。
「外務委員会の最中でしたか? それは……まずいですね。いやでもLINEって時差があるじゃないですか。止まっていて、電波が繋がったらパッと送るとか。(院内はつながるはずだが?)ハハハ。ああ……」
ー出資した人たちは迷惑をしているが?
「それはAが負うべき債務だと思いますよ。それを僕に返せって……。僕は挽回できると思って、良かれと思ってそういう話を繋いだので、これが武藤の責任だと言われても……」
弁護士飯田修の証言(投資詐欺被害に詳しい)
「株式を購入するつもりで出資者からお金を預かり、他の目的に使ってしまったのなら横領罪の恐れがあり5年以下の懲役。最初から株式を購入する意志がなければ詐欺罪で10年以下の懲役の可能性があります」今後の情勢分析
秘書・宮崎氏の関与がどこまでなのか、今後国会にて追及されるだろう。宮崎氏が未公開株の話を最初にふっているとされている。その話に、武藤とAが動いたとされる。この未公開株の話以前に発生していた、武藤・宮崎と知人Aのカネの関係が、今回のスキャンダルに影響していると読み取れる。