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情報資料:毎日新聞ヘリテージ財団「日韓関係」シンポジウム
米保守系シンポ:70年談話を評価 日韓改善に期待
毎日新聞 2015年08月19日 21時13分
【ワシントン西田進一郎】米保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」は18日、安倍晋三首相の戦後70年談話と日韓関係に関するシンポジウムを開いた。出席した米国の東アジア専門家は談話を全体として肯定的に評価し、日韓関係の改善につながることへの期待感を示した。
外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員は、安倍首相が近隣諸国との関係改善を図る外交的意思を談話で示し、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領も一定の評価で応えたと説明。日韓関係改善に向けた状況が生まれているとし、「リスクなしに困難な問題は解決しない」と語り、首脳会談実現に向けた外交努力に期待を示した。
エバンス・リビア元国務次官補代理は、韓国の懸念をより和らげる談話にできたはずだと指摘しながらも、「日韓の緊張緩和に寄与するかもしれない」と評価。「日韓関係がぎくしゃくし続けることがリスクだ」と強調した。マイケル・グリーン元国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は、談話発表直後に米豪2カ国が前向きな声明を出して日韓関係改善を望む意向を示したことが、韓国政府の冷静な対応につながったと分析した。
一方、朴大統領が9月3日に北京で開催する抗日戦争勝利70年記念行事の軍事パレードに出席すべきではないとの意見も出た。リビア氏は「韓国が目標にしている北東アジアの平和と協力、和解を促進しない」と指摘。スミス氏は「天安門(事件のあった広場)で行われる軍事パレードに民主主義国の指導者が出席するのは難しい」と懸念を示した。
(http://mainichi.jp/select/news/20150820k0000m030095000c.html)
情勢分析
噂のヘリテージ財団が「日韓関係」に関するシンポジウムを開いている。戦後70年談話後にオーストラリアが迅速に、「高評価」した背景が説明されている。太平洋戦争において日本の敵国だったオーストラリアの国名を出したことでオーストラリアが戦後70年談話への「高評価」をしやすい状況を作っていたとも言える。異常なほどの好評化の裏には外交的な意図がある。
ちなみに戦後70年談話では、同様に当時敵国だった「ニュージーランド」は名前が出なかった(NZはWW2で日本軍と戦っている)。小国だという認識なのかもしれないが、現在TPPで日本と利害がぶつかっているNZの名前を出すことはお互いの感情を和らげることに繋がったかも知れなかった。(だが出さなかった)。
日本と韓国の関係改善を促す理由も明確に提示されている。それは米国が韓国を中国寄りから引き戻したいからだ。 現在、9月3日の対日戦勝70年記念のイベントに韓国が出席する可能性を示唆していることに対して8月末の今になっても、このような圧力によって意思を変えようとしている。それだけまだ政治スケジュールは不透明であるわけだ。韓国も出席を断言しないまま、米国、日本の様子を見ているのだろう。
この状況の中で、日本国内の対韓姿勢に対してある程度釘を刺す目的もあることだろう。
戦後70年談話は、それ自体の内容そのものより、それがどのように北東アジアの関係を調整する機能を果たすのか、という視点で中長期的に影響することを念頭に入れておく。
私は中国に対するケアが厚く、韓国に対するケアが薄いと分析していたが、ヘリテージ財団のシンポジウムの中でも「より和らげる談話に出来たはずだ」と評価はやや低い。やはり米国は対韓ケアが満足ではなかったという評価だ。
戦後70年談話の韓国ケアが足りなかったとがどのような状況を作り出すのか。韓国が、9月3日に出席することになれば、国際情勢の見通しが一時的に不安定となるといえる。