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ヘリテージ財団は米国の財団。マイケル・グリーンなどの親日の専門家が日本政治に対して強く低減する内容となっている。それによると、戦後70年談話は「韓国の懸念をより和らげる談話にできたはずだ」と指摘されている。
つまり、戦後70年談話について、米国は、不十分だとしている。これは米国の公式発表とは一致しないが、私の独自ルートでは米国の関係者は戦後70年談話に対して不十分だとしていると伝えられている。
そんな中で、直前に鳩山元首相が韓国で、いわゆる「土下座外交」を展開したことは、韓国の国民感情を和らげる方向に影響しているとも言える。
つまり、グローバルな視点では、日韓関係が不測の事態になることを避けてもらいたいという国際的な要請がある。それは以下の2点を目的としているだろう。
- 韓国が、より中国寄りになるのを避けたい(具体的には、韓国が9月3日の中国での対日戦勝70年記念のイベントに参加するのをとめたい)
- 北朝鮮の核問題の協議や、日米韓間の安全保障を安定させたい
この流れの中では、興味深いことに、鳩山の土下座外交のほうが、嫌韓ナショナリズムより、米国ヘリテージ財団の意向に沿う結果となっている。日本のリベラル左派と、米国の保守派の意向がここでは一致するのだ。これは興味深い現象だ。日本の左派はこの状況をどのように捉えて、参院選に向けて動くのだろうか。
戦後70年間、北東地域間の「地政学的条件」は、中国と韓国の国力がUPしているとはいえ、変化しない条件も多い。変化しない条件に対して目を向けておく必要があるだろう。
自民党内では、うまく外交調整メカニズムが働いている。二階氏が尖閣問題の棚上げを主張したことが報じられている。ただし自民党内で、対韓国の調整機能が働いているとはいえないのが現状だ。少なくとも嫌韓ナショナリズムはグローバルな視点からは、北東アジアの安定化の阻害要因になっていることは間違いない。これは韓国内のナショナリズムについても同様だ。
北東アジアには、ヨーロッパにおけるEUや東南アジアにおけるASEANのような、国家の上に存在する枠組みが、ない。つまり地域の国々の欲望を調整するシステムが存在しないのだ。一応、ASEAN地域フォーラムや北朝鮮核問題を巡る6各国協議はテーブルとして機能しているものの、ジャストそれそのものではないのだ。