今年の夏のピーク時の発電量のうち、太陽光発電が大きなウエイトを占めていることを東京新聞が調査報道している。水力発電と並び、上回る地域もある。8社平均では6%を超えている。
四国電力は情報を公開しなかったと報じられている。四国の住民は不幸である。
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情報資料
太陽光発電のピーク時の発電量のグラフ(8社平均)
東京新聞朝刊2015年8月30日 |
太陽光発電のピーク時の発電量のグラフ(電力会社別)
東京新聞朝刊2015年8月30日 |
太陽光発電 今夏シェア6%台に ピーク時に原発12基分(東京新聞)
2015年8月30日 朝刊
今夏に電力需要がピークを迎えた時間帯にどう電力が確保されたか電力各社に取材したところ、太陽光発電が原発十二基分に当たる計一千万キロワット超の電力を生み出し、供給を支えていたことが分かった。二年前は供給力の1%にすぎなかった太陽光は、6%台に急伸。九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)が今月再稼働するまで約一年十一カ月にわたり国内の「原発ゼロ」が続いた間に、太陽光が欠かせない電源に成長したことが明確になった。 (山川剛史、荒井六貴、小倉貞俊)
本紙は、原発のない沖縄電力を除く全国の九電力会社に、今年七~八月の電力需要ピークの時間帯に、電源構成がどうなっていたのかデータ提供を求めた。四国電力は提供を拒否したが、八社が回答した。
地域によってピークの日や時間帯は若干異なるが、八社が需要を見越して準備した供給力の合計は約一億六千六百万キロワット。首位は火力発電で、約一億二千六百万キロワット(75・4%)と圧倒的に多い。二位は、くみ上げておいた水を需要に応じて放水する揚水発電で約千八百万キロワット(10・9%)、三位は水力発電の約千二百万キロワット(6・9%)。
太陽光発電は僅差で続き、千百万キロワット弱(6・5%)。川内原発の出力は一基八十九万キロワット。約十二倍の電力を生み出していたことになる。政府の事前予測は五百万キロワット前後だったが、大きく外れた。再生エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートしてからの三年で、中心的な存在になった。
需要が高まる日中、軌を一にするように発電するのが太陽光の特質で、割高な石油火力の稼働を最小限にできる効果もあった。
地域別では、太陽光の発電量は東京電力管内が四百万キロワットと最も多かったが、発電割合では九州電力管内が9・5%と最も高かった。九州では今夏、ピークが通常とは異なり、日射量が減り始める午後四時だった。もしピークが一般的な昼前後であれば、発電量は二~三倍だった可能性が高い。
九電は八月十一日に川内原発1号機を再稼働させたが、その前から電力の需給バランスは余裕のある状態が続いていた。中部電力などから電力融通を受けていたこともあるが、九州では太陽光の導入量が非常に多く、そのサポートで安定が保たれていたともいえる。
(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015083002000125.html)
情勢分析
今年の夏の話だ。つまり例年に比べて猛暑だった夏の話だ。太陽光発電の発電量が、東京新聞の調査によって明確になっている。
ピーク時の発電量は、8社平均で「6・5%」という数字が出ている。原発12基分に当たるなど、衝撃的な数字だ。
電力会社別のピーク時の太陽光発電量が興味深い。
特に九州での太陽光発電の伸びは大きく、1割に届こうとしている。。私の独自ルートでも、九州電力と付き合うのある下請け会社が、太陽光発電事業にシフトチェンジしていたことが伝わっている。理由は単純な話で、儲かるからである。
原発依存の強い関西電力のシフトチェンジが大きく遅れている。同じく原発依存が強い北海道電力が7%を超えていることを踏まえれば、関西電力の体質の問題ではないかと疑っておく。
なぜ関西電力の下請け会社は、独自に太陽光発電事業を進めていないのだろうか。太陽光発電事業によって利益を出すのは企業の自由裁量でできる。にもかかわらずそうなっていないのは、できない理由があるのかも知れない。福井の下請け企業は、おそらく廃炉に備えており、それどころではない可能性もある(いや、儲かるならやるのではないか。謎だ)。
もちろん、これらの発電量のデータには「コスト」についての考察はない。少なくとも電気が足りないということを電力会社が喧伝する時代は終わりを迎えていると言っていいだろう。コストの問題は、社会全体が省エネに向かう意識を高めるという点で、日本の経済界には重要な事だ。省エネが進めば、発電事業者や送電事業者以外のあらゆる企業に恩恵をもたらすからだ。
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