TPP交渉が停滞しているという報道が続いている。米国はマレーシアやニュージーランドと2国間の協議を進めているが、大きな進展がないと伝えられている。停滞している理由はいくつかある。9月8日以降に米国議会が再開した時にスケジュールの進展がないと宙に浮く可能性がある。
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情報資料1:読売新聞
情報資料2:毎日新聞
今のところ水面下で難航分野の事務レベル協議が進んでいる情報は日本政府内にはなく、「米国議会が再開する9月8日ごろにならないと次回閣僚会合のスケジュールは見えてこないのではないか」(日本政府関係者)と注視する状況が続いている。
(http://mainichi.jp/select/news/20150825k0000m020073000c.html)
情報資料3:北海道新聞
TPP~TPP次期会合 道代表団再派遣 飛田会長会見
2015年8月25日 13時21分
【札幌】JA道中央会の飛田稔章会長=写真中央=は24日の定例会見で、TPP(環太平洋連携協定)の次期閣僚会合について「非常に重大で、北海道代表団として国、政府を応援する」と述べ、自らも含めてJAグループ北海道の代表団を再び派遣する考えを改めて示した。(中略)
飛田会長は大筋合意に至らなかったハワイでのTPPの閣僚会合を、「報道通りだとすると国会決議が台無しになる」と警戒。JA全中副会長は退任したが、「9月に固まる専門委員会構成と全中の立場を受け止め、北海道の代表として当然対応する」と先導して働き掛ける考えを強調した。
情勢分析
米国が2国間協議を進めている
TPP交渉が米国主導ですすめられている。米国はマレーシア、ニュージーランドなどと2国協議を進めたとされる。実はマレーシアはここ最近、AIIBの設立協定への署名を済ませた。マレーシアは今もなお人身売買報道が出ている。
ニュージーランドは7月の閣僚会合において乳製品の市場開放を求めて、日米主導のTPPに釘を差している。ニュージーランドの主張は、乳製品の市場開放を拒むカナダとの衝突も生んでいる。
自動車関連の条件についてもメキシコが不満を表明している。
その他、もろもろ交渉中だ(だって、交渉内容わかんねえんだもんw)
カナダ総選挙で与党が苦戦 政権交代の可能性
そのカナダは、先日ブログでお伝えしたように、総選挙の選挙期間まっただ中だ。ハーパー首相は側近の金銭スキャンダルに揺れている。世論調査では与党の保守党はわずかに野党の新民主党にリードを許している。この情勢でTPP交渉でカナダの雇用者に不利な条件で合意できるのだろうか。それ以前に、9月中に交渉できる余裕が有るのだろうか。カナダの総選挙は10月19日だ。もし野党が勝てば、政権交代で、乳製品の市場開放に否定的な政府が誕生することになる。日本は、7月の閣僚会合の不調のあと、あまり大臣が「某国」とニュージーランドを批判した。NZはこれに反発している。
北海道JAの参院選への動きに注目
日本国内では、北海道のJAが「政府を応援する」という表現で政府の交渉を牽制する流れだろう。これは来年度の予算において補助金をつけてもらおうという牽制の意図もあるだろう。ただ、TPP交渉が暗礁に乗り上げれば、当然ながら来年度の予算において補助金をつけるという見通しが立たないことになるだろう。そうなれば、7月の参院選挙において農協がどのようなキャンペーンを打つのかに注目が集まる。大々的な反TPPキャンペーンはないだろうが。
9月8日の米国議会の再開以降の動きと大統領選でのトランプ発言に注目
米国議会が再開する9月8日以降に閣僚会合のスケジュールが出なければ、TPPが漂流する可能性が一段と高まるだろう。大統領選におけるTPPに関する言及に注目しておく必要がある。もし支持率急上昇のトランプ氏がTPPなどいらないとこれから主張した時(過去に主張しているのだ)、どのような機運になるのか、計算ができない(笑)。
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