世論調査では、米国人の56パーセントが「同盟国を防衛すべき」だと考えているという調査結果だ。
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『▼5割超、同盟国防衛を支持=中国と武力衝突の場合-米世論調査
(2015/06/24-01:25)
【ワシントン時事】日本、韓国、フィリピンなど同盟国が中国と軍事衝突した場合、米国は武力を行使して同盟国を防衛すべきだと考えている米国人が56%に上ることが、米調査機関ピュー・リサーチ・センターが23日発表した世界各国・地域での一斉世論調査の結果で分かった。
それによると、「行使すべきだ」は共和党支持層で68%、民主党支持層で49%と党派によって意見が分かれた。「行使すべきではない」は34%だった。同盟国側の調査では、韓国人の73%、フィリピン人の66%、日本人の60%が「米国は武力を行使してくれるだろう」と答えた。
軍の資源をアジアに移す米国の戦略についてアジア各国で尋ねたところ、「良いことだ」がベトナムとフィリピンで71%、日本で58%に上る一方、マレーシアでは29%、パキスタンでは23%にとどまった。中国では54%が「米国は中国が強くなるのを妨げようとしている」と答えた。
一方、中国の将来像について40の国・地域で聞くと、欧州や中東を中心とする33の国・地域で「中国は米国に代わる超大国になる」が「決してならない」を上回った。「ならない」が多かったのは米国、インドネシア、フィリピン、日本、ベトナム、ブラジル、ウガンダだけだった。
調査は3月25日~5月27日、40の国・地域で18歳以上の4万5435人を対象に行った。(2015/06/24-01:25)』
(引用元:http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2015062400026)
情勢分析
南シナでの、アメリカの対中国政策を推し量る意味のある世論調査だ。共和党と民主党では、20ポイントほど差がある。今後、共和党から大統領が出た場合、民意は「行使すべきだ」と見なす傾向だといえる。民主党は雇用問題が原因となって、日本に対する抵抗感が強いといえるかもしれない。
重要なのは、「同盟国が中国と軍事衝突した場合」についてであることだ。同盟国が中国と軍事衝突したことを大前提となった設問だ。
例えば、過去の尖閣諸島における衝突レベルでは、軍事衝突とはいえないだろう。明らかに日中間で紛争レベルになった場合だと理解しておく。尖閣をめぐる小さな軍事衝突レベルでは米国民の民意が動くとは限らない。
南シナ海に置いてはどうだろうか。今の状況では軍事衝突が起きてはいない。中国軍が周辺国を威嚇したレベルでも軍事衝突とはいえない。具体的にバトルが起きた場合に、米国が同盟国を助けるということになるだろう。その場合、米議会で軍の派遣を審議するのだろうか。この辺りのスピード感が不明だ。
中国の今後の成長についての答えも興味深い。不思議と中国に地理的に近い国々が多い。インドネシア、フィリピン、日本、ベトナムだ。南シナ海において脅威を感じている国々が、このように判断している根拠はなんだろうか。むしろ脅威を感じていれば逆の答えになると思うのだが。米国を上回ってほしくないという願望がこめられているのかもしれない。
世論調査が報じられたことで、より具体的に考えるきっかけとなる。ただし世論調査の設問はざっくりとしすぎている。