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2015年6月28日日曜日

トルコストリームでロシアガスがギリシャに運ばれる意味

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先日6月19日にプーチンがギリシャを訪問して、トルコストリーム構想の実現をめざすことが確認されたと報道。地政学的な意味を確認しておく。

「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)

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『ギリシャがロシア接近 首脳会談「エネルギーなど協力拡大」
2015/6/20 0:15日本経済新聞 電子版

 【サンクトペテルブルク(ロシア西部)=田中孝幸】ギリシャのチプラス首相は19日、訪問先のサンクトペテルブルクでロシアのプーチン大統領と会談した。両首脳が会うのは2カ月ぶり。ロシアに接近する姿勢をアピールし、ギリシャへの支援再開を巡る協議で対立する欧州連合(EU)を揺さぶる思惑があるとみられる。一方、欧米の追加制裁の動きに反発するプーチン氏はEUを切り崩すため、ギリシャへの外交攻勢を強めている。

 「エネルギーなどで協力が拡大できると期待している」。首脳会談でチプラス氏は両国の経済協力に関する新たな覚書を11月までにまとめる考えを示した。プーチン氏は「2国間協力の強化に向けたギリシャの取り組みを歓迎したい」と応じた。

 ロシアメディアによると両首脳はロシアからトルコやギリシャを経由するパイプラインで中東欧にガスを運ぶ「トルコストリーム」構想の実現を目指すことを確認した。ギリシャ国内でパイプラインを建設する政府間の覚書も取り交わした。

 チプラス氏は4月にモスクワを訪れてプーチン氏とエネルギーやインフラなど各分野での関係強化で合意したばかり。新たに大きな進展がなくても頻繁に訪ロする姿を披露する背景には「(ロシアとの接近で)欧米にとってやっかいな存在になれるとみせつけ、EUから譲歩を引き出す戦略」(欧州外交筋)がある。

 一方、プーチン氏は天然ガスなどエネルギー協力をテコに東・南欧のEU加盟国を切り崩し、今後の対ロ制裁の強化を阻む考えだ。これらの国の首脳らを招くことで、ロシアが国際社会に孤立しているわけではないと国内に示す狙いもある。』

 トルコストリームとは

トルコストリーム
引用元:http://www.jsn.co.jp/news/2015/12.html

情勢分析

ギリシャがロシアと親交を深めている。破綻を回避するために現金を運んでもらってるんじゃないかということも推測しておく。

さて、今回、ガスのパイプライン「トルコストリーム」の覚書がかわされた。

トルコストリームは、トルコを通って、ギリシャ経由で、南欧に渡される。ブルガリアを通過しないわけだ。 EU諸国の中で、最初にギリシャに至る。つまりギリシャに美味しいパイプラインなわけだ。ギリシャを経由して他国に送れば、経由地として収益にもなる。ドイツによるエネルギー支配の構図も変わる。

ここ最近読んでいる「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」に掲載されている象徴的な地図を引用してみる。

ドイツ帝国の勢力図
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)より
これを見れば、ガスパイプラインの多くは、ウクライナを経由してEU諸国に送られている。その多くはドイツにつながっている。

今回の「トルコストリーム」は東欧のウクライナやベラルーシを経由せずに、トルコ経由でギリシャに至るルートだ。

その先にはイタリアなどが見える。

ガスパイプラインの終着点のドイツは、EUのエネルギー強国となっている。新しくトルコストリームが実現すれば、EU内のエネルギー勢力図が変わる。またロシアはガスの安定供給先を見つけることが可能になる。

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