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日本経済新聞朝刊2015年7月22日 |
情勢分析
戦後70年談話の内容について議論する有識者懇の代表が会見を開いて、現状況の進捗について語った。「侵略した」認識を盛り込む方針だが、首相が採用するとは限らないと報道。問題とされている「謝罪」や「おわび」に関しては意見が割れており盛り込むとは限らず、両論併記となる可能性がある。世論調査でも割れているので、この判断が内閣支持率に与える影響は限定的である可能性がある。
戦後70年談話は、閣議決定なしの「個人的見解」として発表されるという方針も報道されており、どうなるかはまだわからない。
戦後70年という節目で、韓国中国は歴史問題を強く国際世論に訴えようとしている。徴用工問題については、先日、日本企業三菱マテリアルが米国元捕虜に謝罪をした。この流れがどのように韓国・中国に波及するのか。この問題は中長期的にくすぶり続ける。
先日、谷内安保局長が中国を訪問し、水面下の調整を行ったとされる。後は首相がどういう腹づもりなのかにかかっている。
国際情勢を見れば、南シナ海での対中国策について国際社会は注目している。この問題にどう取り組むかという枠組みが米国中心に作られており、日本はそのために振る舞う可能性がある。ただしそれが北東アジアの安定につながるとは限らない。
当面の北東アジアでの重要政治スケジュールは8月末の岸田大臣の訪露と9月上旬の首相訪中だ。首相訪中は、中国の対日戦勝70周年記念似あわせたものだ。現場ではプーチンとの話し合いがもたれる可能性もある。この訪中を成功させるためにはという目的を持って戦後70年談話の内容が決められる可能性もある。