スポンサードリンク
情報資料:
未許可でMOX製造試験=規制委、問題認識せず—原子力機構
2015 年 8 月 19 日 17:00 JST 更新
日本原子力研究開発機構が7月、核燃料サイクル工学研究所(茨城県東海村)の施設で、必要な許可がないまま、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を製造する試験を行っていたことが19日、分かった。原子力機構は既に受けた許可の範囲内と考え、規制委も問題を認識していなかった。規制委はその後、別に許可が必要な「核燃料加工事業」に当たると判断し、速やかに許可を受けるよう指示した。
この施設は高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)などの燃料製造や試験を行う「プルトニウム燃料第三開発室」。核燃料物質使用の許可は受けていたが、プルトニウムの取扱量が多く、燃料製造が継続的に行われることから、加工事業の許可を受けるよう経済産業省などに指摘され、2004年に申請した。その後、東日本大震災で審査が中断。新規制基準に対応する補正申請も出されていない。
原子力機構は7月、日本原燃の依頼でMOX燃料を少数製造し、品質を評価する試験を開始。06年にも同様の試験をしたことなどから、「使用許可の範囲内で可能」と判断していた。
[時事通信社]
(http://jp.wsj.com/articles/JJ12646213904474544644618988466180814665339)
情報資料2:
(https://www.jaea.go.jp/04/ztokai/summary/center/plutonium/)
情報資料3:
同センターにはプルトニウム施設は3種類あるが、製造を目的とした施設は、第二開発室および第三開発室で、前者では製造工程の機械化が相当程度図られ、後者ではコンピュータ制御により自動化されている。
(http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=04-09-01-05)
情勢分析
日本原子力研究開発機構が、許可なく、プルトニウムからMOX燃料を製造していた。プルトニウムセキュリティの観点から、これはまずいのではないだろうか。チェックすべき点は2つあるのではないか。
- MOX燃料を製造する必要がある状況であること
- 未許可で行っていたことが国際的に問題となるかどうか。
(1)は、これからの日本の原発再稼働が「プルサーマル」に関するものであるということを示唆している。製造試験を行うということは、これから製造するということだからだ。
(2)は、プルトニウムセキュリティの観点からだ。日本のプルトニウム情報は、日米原子力協定に基づいて米国と共有され関しされている。再処理を行う権利は日本が持っているが、プルトニウムの量などは共有しなくてはいけない。つまり国がプルトニウムを管理しなくてはいけない。このように未許可でMOX燃料を製造するということは、国が管理できないプルトニウムを生み出すことになる。
今回は、このように報道されたが、まずもって、未許可でプルトニウムを使用しMOX燃料を作成してしまったという事実が、ガバナンスがゆるゆるであることを意味している。