読売2015年6月4日 |
特に今回のG7では、初日の7日に、南シナ海におけるメッセーが出る。現在進んでいる日本の国会の安保関連の特別委員会の質疑に影響を与える可能性がある。
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先日、EU大統領と安倍晋三が会談し、EU側から、南シナ海の中国のスプラトリー諸島埋め立てに対して懸念が表明された。G7初日の会合で、より強いメッセージが出る可能性がある。
G7のイギリス、ドイツ、フランスなどは、中国が主導するAIIBへの参加を表明している。経済的には中国より、安全保障的には「反中国」の強いメッセージを出す可能性が高い。というのも、経済的な視点から、南シナ海の安定をG7は望むだろうからだ。中国経済が安定することをG7は望んでいる。とは言え、中国に対しては強硬策ではなく、どのように中国をなだめるかという対応になる可能性もある。地政学上のリスクが少ないEU諸国がどのようなメッセージを出すのかは重要だ。
中国の国内経済は冷え込んでいると見られる。そのため中国はAIIBなどを踏まえて、対外的な経済政策を推し進めるだろう。それによって成り立つ中国の「一対一路構想」は経済政策と軍事政策がリンクしている。だからこそ中国は南シナ海のスプラトリー諸島にこだわるのだ。であるがゆえに、南シナ海の安全保障に関して、EU諸国が中国に対応するのは苦慮するだろう。
中国は、長江での客船転覆問題を未だ解決できずにいる。また、本日は、天安門事件から26年の節目を迎えている。この重大な中国の国内問題がどこまで深刻なものになるのか。そして中国は、そこから目を背けさせるために南シナ海の問題を利用するのか。
読売2015年6月4日 |
G7での欧州諸国の対応が、中国にどのような影響をあたえるのかは、世界的な重大な関心事だ。そしてそれは日本の国会での安保法制の審議に強く影響を与えるだろう。日本政府はそれを狙ってG7を利用する。