2015年7月24日金曜日

移民政策に抵抗する愛国者に支えられた安倍政権は、根本的な労働力不足を解決できないジレンマを持つ

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経団連の榊原会長が、移民政策を提言している。移民政策は労働力を増やす手っ取り早い方法だが、安倍政権の支持者である愛国者たちにはウケが悪い可能性がある。アベノミクスには女性や高齢者の労働率を高める方針も含まれているだろう。そのためには移民が必要だと在日米国商工会議所が意見書を日本政府に提出している状況だ。
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経団連会長、人口減社会「移民へのドア開けないと」

2015/7/23 19:36

 経団連の榊原定征会長は23日、人口減少社会への対応として「移民に頼らざるを得ない。(閉じている)ドアを開けにいかないといけない」と述べ、移民政策の議論を政府内外で加速するよう求めた。経団連独自の制度設計を急ぐ考えを示した。長野県軽井沢町で同日から始まった経団連夏季フォーラムで語った。

 政府試算では日本の人口は、このままだと2060年までに4000万人程度減る。榊原氏は労働力人口の減少に危機感を示したうえで、女性や高齢者をより積極的に活用すべきだとしつつ「それでも足らない」と指摘。「(移民受け入れに)国は極めて保守的で拒絶的だ。産業界から具体的に提言していかないと進まない」と強調した。

 榊原氏は、人口減でも持続可能な社会保障制度改革も求めた。「高齢者向けの医療・介護には莫大な金額の公費が流れている。高齢者には我慢してもらい、子育て世代向けに給付の流れを変えるべきだ」と指摘。高齢者向け給付削減や負担増へただちにかじを切るべきだと訴えた。

 経団連の夏季フォーラムは24日まで。軽井沢で開くのは2年ぶりだ。昨夏は安倍晋三首相の中南米訪問に榊原氏らが同行した関係で、東京で1日だけの開催だった。
(http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS23H3A_T20C15A7EE8000/)

情勢分析

移民問題は様々な角度で語られるが、喫緊のテーマは、女性の社会進出のための「家事労働」を補完する移民労働力だ。これは在日米国商工会議所からも意見書を提出されている。

日本は、経済成長を続け、年金を維持するために、女性の労働率と高齢者の労働率を高めなければいけないと政府が方針を発表している。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/zaisei-kensyo/dl/h26_shisan_kekka.pdf

※クリックすればPDFファイルを見れます。

5年に一度の年金運用の検証の報告書からの引用だ。上のラインが「経済再生シナリオ」だ。かなり女性の労働力を高めなければいけないわけだ。

過去にはもっとM字型だったが、晩婚化が進むなどあって、M字型はなだらかになってきている。だが、晩婚化は少子化につながる。女性を働かせた結果、人口減が進み、高齢化がいっそう激しくなるという流れに歯止めをかけなければいけない。

だからこそ、女性の家事労働時間を減らす政策が必要となる。そのためには「移民」ということになる。

[PDF]日本人女性の就業を促す外国人家事労働者の雇用に向けた移民法の改正を

この中に、今の日本女性労働者が抱える問題について米国視点で論じられている。

ただのおせっかいではない。米国にとっても日本が移民を進めるのは意味があるのだ。

日本国内の労働人口は、日本の内需の大きさを表す。労働人口が減り内需が小さくなれば日本企業が米国に移ってくる可能性が高まるのだ。中長期的に見て日本の労働力を維持させることは、米国の企業を保護することになり、米国の国益につながるのだ。

ただし、安倍政権の支持者は、移民政策に肯定的ではない。だからこそ安倍政権では思い切った移民政策を打ち出すことが出来ない。それはそれで安倍政権を否定する理由にはならない。

ただし、そう考えると、安倍政権では根本的に日本の経済を右肩上がりにすることが出来ないとも言える。労働人口を増やす努力をしなければ根本的な解決にはならない。現在も労働力が足りないという状況が続いている。

だから私は、安倍内閣はデフレ脱却までのリリーフにすぎないと思うようになった。ビジョンの中に、根本的な解決策が見えないのだ。ただしデフレ脱却に手が届くようになったのは確かだ。これまでの経済政策はコピーしてべつの内閣で続けることは可能だろう。

今回の経団連の移民の提言に、安倍内閣はどのように対応するのだろうか。現在の榊原会長はかなり内閣に対する注文は控えめでここまで来ていたが、今回の移民政策の提言に対する安倍内閣の答えに注目しておく。内閣の支持率が低い時の政権の判断は、ときどき国民を驚かせる以外なものになるからである。

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