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2015年9月1日火曜日

日本、潜水艦受注で出遅れ! オーストラリア潜水艦建造プロジェクト

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日本(外務省、三菱重工業、川崎重工業)側が、オーストラリア潜水艦建造プロジェクトの交渉に出遅れている、とロイターが報じている。理由は、特定の入札プロセスが認められていないとのことだ。日本はオーストラリア側から批判を受けている。
※画像引用元:http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/ss/soryuu/501.html
日本(外務省、三菱重工業、川崎重工業)側が、オーストラリア潜水艦建造プロジェクトの交渉に出遅れている、とロイターが報じている。理由は、特定の入札プロセスが認められていないとのことだ。日本はオーストラリア側から批判を受けている。

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情報資料

豪潜水艦入札、日本側は協力に向けた協議拒否と豪企業が批判

International | 2015年 09月 1日 19:12 JST

[シドニー 1日 ロイター] - オーストラリア海軍向けの潜水艦建造プロジェクトの受注を目指す日本の企業連合は先週、オーストラリアで説明会を開いたが、参加した豪企業幹部は、日本側が重要な情報を十分伝えなかったほか、国内企業との協力に向けた協議を拒否したと批判した。

日本やドイツ、フランスの企業は、豪海軍向けのステルス潜水艦12隻の建造の受注を目指している。日本の防衛省関係者と三菱重工業(7011.T)、川崎重工業(7012.T)の幹部らは受注獲得に向け先週オーストラリアを訪れ、説明会を開いた。

説明会に参加した豪防衛専門家は、豪企業が日本側との協力機会を模索するためどのように関わり合うことができるかと質問したが、日本側からは、契約締結前にそうした協力関係について協議することは入札プロセスで認められていない、との回答が返ってきた。また、国内の防衛関連企業3社は、日本が1対1で協議することを拒否したほか、プレゼンテーションには重要な情報が欠けていた、と不満をもらした。

受注競争では日本企業が最有力候補とされていたが、説明会で日本が潜水艦をオーストラリア国内で建造するかどうかについて明言を避けたことから、現地建造をすでに表明した欧州勢に出遅れたとの見方が広がっている。
(http://jp.reuters.com/article/2015/09/01/australia-japan-defence-idJPKCN0R13EE20150901)

情勢分析

まず、地政学的な状況を理解しておく。

日本は、本土から離れた南シナ海において、米国やオーストラリアとともに中国を牽制しようとしている構図だ。この構図を東シナ海にも当てはめようという日本側の意図もあるだろう。

日本はオーストラリアと軍事的な結び付きを強めたいと考えるのは当然だ。オーストラリアから見れば遠く離れた日本の尖閣(東シナ海)の防衛のために駆り出されることには抵抗があるだろう。

オーストラリアは南シナ海を挟んで中国と向き合っている。近海には中国漁船が現れ中国脅威論が生まれている。オーストラリアはそのため米国海兵隊を招いている。沖縄の海兵隊がオーストラリアに移動する流れはこのような状況も影響している。

そんな中で、日本はオーストラリアと軍事的な結び付きを強めたいわけだが、企業側と外務省の目的は違う。

  • 企業
    ・・・儲けたい。政府に貢献して何らかの優遇を受けたい
  • 日本政府(外務省)
    ・・・オーストラリアとの防衛協力を成立させ、安全保障に役立てたい。

こんなかんじだろうか。

潜水艦の建造を日本は日本国内で行って納品したいと考えている。そうでなければ儲からないからだ。ここに外務省と企業の温度差がある。報道では、雇用の問題は取り上げられていないが、日本側が協議に協力的ではない理由はここにあるのではないだろうか。

オーストラリアで生産することを了承すると、軍事機密も全て渡すことになる。メンテナンスもオーストラリアの手で可能になるだろう。つまり納品しなければ日本企業はメンテナンスによる利益を挙げられないことになるのだ。

おそらく日本企業はそうでもしなければ利益を挙げられないということになるのではないか。つまり企業に対する政府の軍事関連の補助金が薄い(あるいはない)可能性がある。そうでなければ同条件で競う海外諸国の軍事産業との姿勢の差が説明できない。政府が補助金を当てれば技術提供だろうが、利益は上がるのだ。

どちらにせよ、日本は他の輸出したがっている国より、オーストラリアと軍事的な関係を強化したいのは確かだろう。だができない。だからこそジレンマがある。これはTPPと似た構図ではないかと私は見ている。

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