読売34面2015年6月8日 |
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『 【ベルリン=大野展誠】国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件で、英紙サンデー・タイムズは7日、2010年ワールドカップ(W杯)の招致に絡み、開催地を選定するFIFA理事会の投票では、落選したモロッコが、開催地に決まった南アフリカを上回る票を得ていたとのFIFA元理事の証言を報じた。今後、調査は、2020年のロシア大会に及ぶ可能性がある。すでにそれは報じられている。
同紙が独自取材で得たというボツワナ出身の元理事の証言によると、開催地を決めた04年5月のFIFA理事会で、理事同士が投票先について話し合った結果、モロッコが2票差で南アを上回っていた。開票作業は理事がいない場所で行われ、発表された結果は南アが14票、モロッコが10票だった。元理事は、他の理事がウソをついた可能性があることも認めている。
10年W杯をめぐっては、元FIFA副会長のジャック・ワーナー氏が南アから投票の見返りに賄賂を受け取っていた疑いが持たれている。元理事は、ワーナー氏はモロッコ側からも投票の見返りに賄賂を受け取ったが、モロッコに投票せず、モロッコより多額の賄賂を申し入れた南アに投票したとも証言した。』
『 FBI、ロシア・カタールW杯も捜査対象に
日経 2015/6/4 23:12 (2015/6/5 0:26更新)
【ニューヨーク=高橋里奈】国際サッカー連盟(FIFA)の汚職事件で、米連邦捜査局(FBI)が2018年のワールドカップ(W杯)ロシア大会、22年のカタール大会を捜査対象にしていることが明らかになった。捜査対象を広げ、辞意を表明したブラッターFIFA会長の立件を目指しているとみられる。
ロイター通信に対し、米捜査当局者が「FIFA幹部らを起訴した先週の動きをさらに前に進める捜査のひとつだ」と述べた。FBIはカタール招致委員会からアフリカのFIFA幹部に渡った金の流れに関心を寄せているもようだ。
米司法省は10年のW杯南アフリカ大会の開催地の選定過程で贈収賄があったと発表済みだが、18年と22年の大会については言及していなかった。両大会については、スイス当局がFIFA本部を家宅捜索して電子データや文書などを押収し、捜査を始めた。捜査権限の大きい米当局がスイス側と連携すれば、捜査が前進する可能性がある。ロシアとカタールはともに不正を否定している。
以前から不正疑惑のあった18、22年の大会については、FIFAの倫理委員会が14年に「開催地決定は妥当」とする調査結果を発表した。だが、調査責任者が報告書の大幅な修正に不満を示して辞任するなど不透明さを露呈していた。22年の開催地には日本も立候補していた。
一方、FIFAのチャック・ブレイザー元理事が1998年と10年のW杯の開催地選定にあたり、賄賂の受け取りを認めたことも分かった。
ニューヨーク連邦地検による13年の証言資料で、米国人のブレイザー元理事は「開催地選定にあたり、賄賂を受け取ることで他の幹部と合意した」などと認めた。米英メディアが3日に伝えた。また96年から03年までの間に5回開かれた北中米カリブ海選手権(ゴールドカップ)についても、放映権や商業上の権利にからむ賄賂を他の幹部とともに受け取ったという。
ブレイザー氏は97年から13年までFIFAの理事を務めた。脱税や資金洗浄の疑いで米当局に訴追されたが、米メディアによるとFIFAの汚職事件に関する情報提供者に転じたとされる。』
(http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM04H5C_U5A600C1FF2000/)
分析
ロシアのプーチンはFIFAの汚職事件の調査に対していち速く抗議のコメントを出していた。大統領がコメントを出すことによって、外交問題に発展する可能性もある。FIFAの汚職問題は、すぐに終わる問題ではない。今後の国際情勢に中長期的に影響する可能性がある。