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2015年7月28日火曜日

安倍内閣は「政治システム」を不安定化し「徴兵制は絶対ない」を信用する土台がなくなった

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安倍内閣の罪は重い。安保関連法案そのものの内容の問題だけではないのだ。

これは、安保関連法案に賛成の人も反対の人にも共通の「安倍内閣の罪」だ。

それは、「徴兵制は絶対にない」という主張そのものが不安定になったことだ。絶対にないと主張している彼らが、これまで絶対になかったことを覆してしまったからだ。

安倍内閣は政治というシステムを根本的に不安定にしてしまった。
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もし、憲法9条を改正して日米同盟のバージョンアップを目指せば、今回のような憲法議論にはならなかった。

だが、安倍晋三首相は、憲法9条を改正することが難しいと判断するや、解釈改憲に踏み切ってしまった。

そして、憲法学者から猛反発を食らってしまった。そしてそれに対して「最終的に判断するのは司法だ」という論理を主張してしまった。

司法が最終的に判断すること、という論理は当然正しいが、その正しさには不安定さが生まれる。

なぜなら、憲法に違反する可能性があることを内閣は行ってもかまわないが、それは最終的に憲法で判断される、という論理だからだ。

たしかに、「最終的に司法で判断されるべき」なのは正しいが、「憲法に違反する可能性があることを内閣が行ってもかまわない」という論理は「あまりに不安定」な政治状況を生み出すだろう。

安倍内閣は「合憲だと確信している」と主張するが、それはブーメランとなっている。なぜなら合憲かどうかを判断するのは最終的に司法だからだ。全くマヌケなことになってしまっているものだ。

司法が判断するまでに時間がかかるとすれば、その間、不安定な法律が思考されることになり、政治は不安定な状況が続くことになる。政府はこの状況をどのように判断しているのだろうか。つまり、司法判断が出るまで不安定な状況が続くことは構わないとしているわけだが、それは政治を不安定にする。

そういう「政治の不安定」が大前提の政治が今後続くことになるわけだ。

憲法9条を改正することにチャレンジすること自体には、何ら法的な問題はない。そのチャレンジはこの国の法体系で認められたことであって、議論はわかれるだろうが、改憲にチャレンジすること自体には違法性はないのだ。

それがこの国のシステムだったが、そのシステムを政府は無視して、政治を不安定にしてしまっている。



つまり、憲法9条を解釈してしまうことによって、内閣の今後の憲法解釈に「不確実性」が生まれてしまったのだ。政治システムが不安定化してしまった。

これは、今後生まれる内閣にとっても厄介な状況となるだろう。いつ、都合よく内閣が憲法解釈をおこなうのか、という国民の疑念が向けられることになってしまうだろう。それは、憲法そのものの信頼性が薄れることにつながる。

政治システムの不安定化と同時に立憲主義の不安定化が起きてしまっている。

安倍内閣の罪はそこにある。

安保関連法案に限定される問題ではない。

そもそも政治の未来を不安定化してしまったのだ。

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