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安保法案「法的安定性確保」軽視発言の礒崎補佐官が大炎上 民主は解任要求、自民も不快感
2015.7.27 18:17
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礒崎陽輔首相補佐官が安全保障関連法案に関し、法的安定性確保を軽視していると受け取られる発言をしていたことが27日分かり、波紋を呼んでいる。礒崎氏は26日の大分市での講演で「法的安定性は関係ない。わが国を守るために(集団的自衛権行使が)必要かどうかが基準だ」と述べた。
自民党の谷垣禎一幹事長が27日の記者会見で礒崎氏の発言について「字義通りの発言だとすると極めて配慮に欠けたことだ」と不快感を示した。民主党の枝野幸男幹事長は同日、安倍晋三首相に礒崎氏の解任を求める考えを明らかにした。
参院平和安全法制特別委員会の鴻池祥肇委員長も同日の理事懇談会で、発言の真意などについて28日の理事会で報告するよう自民党理事に求めた。
礒崎氏は27日、憲法が認める必要最小限度の武力行使は国際情勢によって変化するとの意図だと釈明し、「報道は(発言を)短く切って書かれた」と述べた。菅義偉(すがよしひで)官房長官は会見で「誤解されるような発言は慎まなければならない」とし、解任の必要はないとの認識を示した。
(http://www.sankei.com/politics/news/150727/plt1507270029-n1.html)
情勢分析
安保関連法案において、憲法違反であるという憲法学者の主張が広まる中での、礒崎陽輔氏の「法的安定性は関係ない」発言を報じられたことは、自民党にとってダメージにはなるものの、メリットはないだろう。情勢に影響をあたえるのは「正しくはどう発言したか」ではなく「メディアがどう報じたのか」であることは言うまでもない。分かっている人は、真実ではなくメディアの言語が情勢に影響を与えるという割り切り方をするだろう。
自民党は、安保関連法案に関する街頭演説を9月までやめることを決めている。つまり世論の動向に刺激を与えないように低空飛行でやらなければいけないという姿勢だろう。
そんな自民党内の空気の中で、政府要人の舌禍によって、政党支持率にネガティブな影響をあたえることになれば、党内からの批判が出てくることになるのではないか。来年の参院選にどの程度影響しうるのか、見定めていることだろう。
ただでさえ、地方の自民党議員は、不満を抱えている状況だ。野党議員は地方によっては統一戦線を組んで安保関連法案に反対する集会を開いている。
山形市長選挙でも、野党は力を結集し、共産県委員長は来年の参院選に向けて「一本化」の可能性に言及し始めている。
7月の内閣支持率は、35%〜43%。バラつきはあるが下落傾向は各紙ほぼ同じと言って良い。8月の世論調査でどのような数字が出るのかによって、岩手県知事選挙の情勢や参院岩手補選。参院での安保関連法案の審議などに影響を与えるだろう。