スポンサードリンク
新国立の文科省担当者「更迭」…下村大臣認める
2015年07月28日 12時56分
政府は28日午前、新国立競技場の建設計画で文部科学省の担当者だった久保公人きみとスポーツ・青少年局長(58)が8月4日付で辞職する人事を発表した。
久保氏は定年まで1年半以上残しており、建設計画の白紙撤回など一連の混乱を受けた更迭人事とみられる。
下村文部科学相は28日午前の記者会見で、「後進に道を譲る意味の勇退だ。役人の人事を(職員が)自分で判断することは基本的にはありえない。大臣として判断した」と説明し、事実上の更迭であると認めた。
久保氏は2012年1月から現職。新競技場の建設を巡っては、同省の責任者として建設主体となる日本スポーツ振興センターなど関係者との調整にあたっていた。同局長経験者は他の局長ポストに異動するのが通例だが、久保氏は定年前に退職し、後任には高橋道和・内閣官房教育再生実行会議担当室長が就く。
下村氏は会見で、野党からの辞任論について、「批判は謙虚に受け止める。新競技場を確実に間に合わせるのが第一義的に大臣としてやるべきことだ」と語った。これに対し、民主党の高木義明国会対策委員長は28日、「役所のどなたかに責任をなすりつけるようなことは決してあってはならない。文科相の責任は極めて重い」と語った。
(http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150728-OYT1T50067.html)
情勢分析
ついに、文科相の官僚が更迭された。先日、舛添要一東京都知事が担当官僚の更迭、あるいは下村文科相の辞任を要求していたが、それが形になった。舛添要一は、これで下村文科相の責任を追及する姿勢を辞めるだろう。ただし、これで状況が落ち着くのかはわからない。今後下村文科相の責任問題も当然追及されるだろう。
重要なのは、新国立競技場の建設計画を国民が納得できるかどうかだからだ。更迭はこれまでの責任を取らせる形にすぎないからだ。
8月中旬までに自民党が政府に対して計画案を提出する形となっている。さらに9月をメドに政府が計画を決定する。8月の内閣支持率がどのようになるのか。自民党の支持率にどのように影響するのかに注目しておく。7月末に出た読売と日経の世論調査を見る限り、新国立競技場問題を白紙にしたことは、内閣にとってポジティブに作用しているかは判断できなかった(あまり影響しなかった可能性がある)。
NHK日曜討論で稲田朋美氏が民主党時代に1300億円の予算が決定したことを指摘していたことから、これより安い金額を自民党は提案するのではないかと推測する。
だが、過去のオリンピック競技場の予算は500億円程度だ。ワイドショーによってこの金額は国民に知れ渡ってしまっている。1300億円より低い予算になったとしても、国民はそれをどのように評価するのか、自民党はそれを見極めようとするだろう。