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情報資料1:イラン核協議の最終合意後のイラン駐日大使の発言 朝日新聞2015年7月26日
イランのナザルアハリ駐日大 使が23日、日本記者クラブで会見し、ペルシャ湾のホルムズ海峡が焦点となっている日本の安全保障法制の議論について、「(機雷の敷設がイランを念頭にし ているのであれば)まったく根拠のないことだ」と否定した。核開発をめぐる米欧など6カ国との最終合意を受けて、原油などの輸出が今後増える可能性を挙 げ、「なぜ封鎖する必要があるのか」と疑問を呈した。
(http://www.asahi.com/articles/ASH7R4S97H7RUHBI014.html)
情報資料2:核協議最終合意後も、3年前の国際状況を踏まえて主張する佐藤正久(2015.7.29報道)
佐藤正久氏「ホルムズ海峡について議論したい。ホルムズ海峡を含めた日本のオイルシーレーン、日本の油の8割、天然ガスの約25%がペルシャ湾から日本に来ている。1日約60万トンの油が来なければ日本の工業製品も生活も維持できないといわれている。日本の油はペルシャ湾に依存しており、一番狭い部分がホルムズ海峡だ。日本関連船舶だけでも年間、4000隻が通っており、もっともホルムズ海峡を使っているのは日本だ」※リンク先には、まだまだ国会答弁が続いている。中谷、安倍首相、などがペルシャ湾での機雷掃海の必要性について主張し続けている。
「イランは2012年にEU制裁に対抗してホルムズ海峡を機雷封鎖するという法案も提出した。仮にホルムズ海峡が封鎖されたら一番影響を受けるのは日本だといわれている。おそらく株価は大幅に下がり、物価にも深刻な影響が出て、冬場は灯油の高騰も予想される。備蓄は半年分だけで、液化天然ガスは備蓄も困難だ。備蓄を放出する動きがでれば株価はさらに暴落し、状況によっては経済や国民生活に深刻かつ死活的な影響が出ることも予想される。他方、日本の機雷掃海技術は世界トップクラスといわれている。湾岸戦争終了後のペルシャ湾での掃海実績の評価はどうだったか」
(http://www.sankei.com/politics/news/150729/plt1507290007-n1.html)
情報資料3:参議院 藤田幸久議員の発言
藤田議員は8月13日にレザ・ナザルアハリ駐日イラン大使と面会したことを明らかにし、「ホルムズ海峡での機雷掃海」という事例が、ホルムズ海峡の北側を領海とするイランでは、日本がイランを集団的自衛権行使の対象国としているかのように受け止められており、そのことをナザルアハリ大使は心配していると説明した。
藤田議員によると、日本政府は本年6月15日に日本とイランとの局長級協議を行っているが、それに先立つ6月8日にもナザルアハリ大使は外務省を訪れて上村中東アフリカ局長と面会しているとし、「局長級協議の前にわざわざ会いに行ったのは、やむにやまれぬ思いがあったからだ」と指摘したが、その後の質疑で、こうしたイラン大使の訪問・面会や局長級協議の内容が岸田外務大臣に報告されていなかったことが明らかになった。
一方、日本政府は2013年11月に岸田外務大臣がイランを訪れ、「ペルシャ湾と太平洋とをつなぐシーレーンにおける法の支配の尊重並びに制限のない貿易及び航行の自由の意義を強調」などとする共同声明を発表している。藤田議員は「両国で声明を交わしたならば、領海の中が集団的自衛権行使の対象とされることは外交上失礼であり、事例としてあげること自体が不当だ」と批判。
岸田外務大臣は「ホルムズ海峡には多くの国が関係しており、特定の国を想定して議論しているわけではない」などと苦しい答弁を展開したが、藤田議員はこの答弁に対し、7月10日に安倍総理が「イランが機雷を敷設した段階において」「例えばイランが停戦に向かって進んでいく」など、イランに特定した答弁があることを挙げて反論し、「6月に大使が外務省に赴き、局長級協議を行ったにも関わらず、その内容が外務大臣に伝わっていない。イランというホルムズ海峡を領海として有する国が『機雷の敷設をしない』と言い、航行の安全について両国の外務大臣が正式に声明を出しているにもかかわらず、最高責任者である総理が具体的に国名を挙げて答弁しているということは、外交的に言えば断交に近いようなことではないか」と厳しく追及した。
(http://blogos.com/article/129085/)
情勢分析
お気づきだろうか。イラン核協議が合意に向かって動き出している中で、いつのまにか「機雷掃海をペルシャ湾で」という話はなくなってしまっている。
だが、調べると、イラン核協議が最終合意を迎えた7月14日の後もなお、佐藤正久、中谷防衛大臣、安倍晋三首相らが、ペルシャ湾での機雷掃海を主張していた。
民主党藤田議員の質疑で明らかになったことを踏まえて、時系列で整理しておく。
ペルシャ湾での機雷掃海必要論の時系列
- 2013年11月
岸田外務大臣イラン訪問「航行の自由と意義を協調」とする共同声明発表 - 2015年
6月8日 イラン大使外務省訪問
6月15日 日本イラン局長級協議
7月14日 イラン核協議、最終合意
7月26日 イラン大使、日本記者クラブで会見
7月29日 国会でペルシャ湾機雷掃海についての答弁
ちなみに、7月14日にイラン核協議が最終合意を迎えたあと、欧州諸国はイラン詣を繰り返している。日本は完全に取り残されている。
国際社会の潮流は、6月末からイラン核協議の合意にむけて一気に動き出していたことに対して、日本はまったくもってそれを感じていなかったということになる。
重要なのは、今後日本はイランが国際社会に復帰した後に、イラン市場に食い込めない可能性があることでもある。イランは今後原油を増産し買い手を探すだろう。日本は手のひらを返して頭を下げるだろうが、良い交渉結果を得られるだろうか。
エネルギー安全保障をぶち壊したのは安倍内閣、ということにならないように頑張ってもらいたいと思う。
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