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株安・円高、政権運営に影響 支持率低下に拍車も
2015/8/25 1:39
日経平均株価の大幅下落を受け、政府・与党内には24日、政権運営への影響を懸念する声が広がった。安倍晋三首相は就任以来、金融の異次元緩和など「市場重視」の政策で株高・円安を演出し内閣支持率を下支えしてきた。生命線ともいえる市場の逆方向の動きは、支持率低下に拍車をかけかねない。与党からは2015年度補正予算など経済対策を求める声も上がる。
24日、政権幹部らは景気の先行き不安の打ち消しに躍起となった。
「企業業績は過去最高水準になり(日本経済は)緩やかに回復基調にある」。菅義偉官房長官は記者会見でこう力説し、国内経済の堅調ぶりをアピールした。甘利明経済財政相は参院予算委員会で「中国経済も落ち着いてくるのではないか」と述べ、さらなる環境悪化の見通しを打ち消した。政府は今回の急激な株安・円高の背景を「海外要因」と説明している。
政権が市場動向に敏感になるのは、高株価が内閣にとっての「生命線」と考えているためだ。12年12月の第2次安倍政権の発足後、支持率は株価と共に上昇。首相も「アベノミクスで行き過ぎた円高が是正された」「株価が上がった」と成果を強調してきた。
一方、最近では内閣支持率は急落している。衆院での安全保障関連法案の採決時の混乱や、首相を支持する自民党議員や周辺らの発言が問題となったことなどが背景にある。「これまで支持率は景気、株価で持っていた」(政府高官)との見方が強く、頼みの綱である経済までつまずけば政権基盤が揺らぎかねない。
17日に内閣府が発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、3四半期ぶりにマイナスだった。甘利経財相は「一時的な要素がかなり大きい」と指摘していたが、市場発の株安・円高が続けば、実体経済にもさらに悪影響が出てくる。
与党内では経済対策を求める声も上がり始めた。「経済は人の心理も大きく影響する。かなり不安心理が広がっている。拡大しないような手を打つことが必要かと思う」。自民党の谷垣禎一幹事長は24日夕の記者会見で強い警戒感を示した。
参院予算委では、公明党議員が「機動的な財政政策である第2の矢を再び放ち、成長戦略への橋渡しをすべきだ」と首相に訴えた。首相は「第2の矢も含め、今後とも3本の矢の政策を一体として経済再生を図りたい」と述べるにとどめた。
(http://www.nikkei.com/article/DGXLZO90923410V20C15A8PP8000/)
情勢分析
この世界同時株安は、安倍内閣を炙りだしている。閣僚はここにきて、親友であるかのように中国擁護を繰り返す。経済に関しては、根拠もなく不安を煽ることはできない。いや、根拠があっても不安を煽れないのだ。経済界・金融界に叱られるからだ。個人投資家からも叱られる。与党議員は素直だ。株価が下がればアベノミクスに赤信号が灯る。株価を回復させなければ自分の職業が奪われてしまうからだ。今後、大規模金融緩和の大号令が行われるだろう。これまでも内閣支持率に低下によって金融緩和を期待する声はあった。それに拍車がかかるだろう。
株価が下がればそれに50%(国外下部それぞれ上下9%)連動するGPIFの年金運用にも注目が集まる。7−9月期の運用結果がどうなるかで、内閣支持率に影響する可能性もある。
少なくとも、これまで株価の下支えにつぎ込んできた巨額のマネーが、パーになったわけだ。多くのクジラも、中国というクジラにはかなわなかったということだろう。
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